快眠効果は思い込み! 結果的には眠りの質を落とすタバコ

 

最初にも触れましたが、夜寝付けないとき、タバコを吸ったらリラックスできた。喫煙者なら誰しもがそんな経験をお持ちだと思います。

 

確かに少量であればニコチンには鎮静作用やリラクゼーション効果があります。タバコを吸えばニコチン切れのイライラした状態も一時的になくなります。これが夜寝る前にタバコを一服すれば、リラックスしてよく眠れると勘違いを引き起こしているのでしょう。

 

実際、タバコを吸う人は、吸わない人に比べて、睡眠時間が短くなり、睡眠の質も悪化します。タバコを吸う人と、タバコを止めた人、タバコを全く吸わない人を調べた研究では、非喫煙者に比べて喫煙者は、床に就いてから寝つくまでの時間が平均5分長く、総睡眠時間が14分短いことが分かっています。

 

また、喫煙者の場合は、浅い睡眠が24%多く、深い睡眠が14%減ということが分かりました。さらに喫煙者は非喫煙者に比べ、睡眠時無呼吸症候群になる確率が2.5倍も高いのです。

 

一方、非喫煙者とタバコを止めた断煙者では、睡眠の量や質に明らかな違いがありませんでした。タバコを吸っている人には、睡眠を良くするという観点からも、禁煙することをお勧めします。