ニコチンの覚醒作用と鎮静作用

 

タバコを吸えば血管の収縮がおき、血圧が上昇、鼓動が早くなり、身体は飛び起きます。血圧と心拍数が上昇するということは、身体が激しい運動をした状態と同じになっていることを意味します。

 

また、タバコに含まれるニコチンには、覚醒作用と鎮静作用の両方があります。これらの作用により、快眠や目覚めにタバコが役立つと思ってしまう人が多いのです。

 

この2つでより強く表れるのは、覚醒作用の方です。そのため、寝タバコは完全に逆効果と言えます。ニコチンの体内での半減期は約2時間なので、何となく気持ちが落ち着いて眠りやすいような気分になっても、喫煙者も就寝前の2時間はタバコを吸わない方が、実際はよく眠れるということになります。

 

また、目覚めたときにすぐタバコを吸いたくなる人も、寝タバコと違ってニコチンの覚醒作用をうまく利用できているなどとは思わない方がよいでしょう。目覚めの効果よりもよほど有害な「ニコチン依存症」になっている可能性が高いためです。

 

睡眠中は血液中のニコチン濃度が低下しますが、ニコチン依存症だとこの状態に耐えられなくなっているため、起きてすぐにニコチンを補給せずにはいられなくなってしまいます。朝の一服が止められない人は、早めに禁煙外来を受診するようにしましょう。